中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2010/11/3

CIS諸国

ポリュスとカザフ・ゴールド、経営統合を撤回

この記事の要約

カザフスタンの産金大手カザフ・ゴールドは10月26日、ロシア同業のポリュス・ゴールドとの統合計画を撤回したと発表した。株式交換を巡る法的問題に解決の見通しが立たないためと説明している。\ カザフ・ゴールドに50.1%を出 […]

カザフスタンの産金大手カザフ・ゴールドは10月26日、ロシア同業のポリュス・ゴールドとの統合計画を撤回したと発表した。株式交換を巡る法的問題に解決の見通しが立たないためと説明している。

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カザフ・ゴールドに50.1%を出資するポリュスは6月末に株式交換により経営統合すると発表。統合新会社「ポリュス・ゴールド・インターナショナル(PGI)」は、金保有埋蔵量が1億1,200 万オンスに達し、旧ソ連地域で最大の産金会社となるはずだった。しかし、カザフスタン政府は7月、2009年にポリュスがカザフ・ゴールド株式を取得した際に鉱物資源法に違反していたとして、株式の譲渡を無効としたうえ、両社の統合につながるポリュスを引き受け先としたカザフ・ゴールドの第三者割当増資を禁止。統合計画は暗礁に乗り上げた。こうしたカザフ政府の強硬な姿勢の背景には、ポリュスから横領と決算報告書の虚偽記載で英ロンドン高等裁判所に訴えられたカザフ・ゴールドの大株主で前経営者のアサウバエフ一族の働きかけがあったのではないかとの憶測が流れている。

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カザフ・ゴールドは声明で、「問題の解決に向けた当局側との協議が、株式交換オファーの期限となっている10月29日までに解決する見通しが立たない」として、統合計画をいったん白紙に戻すと表明。一方で、統合実現に向け今後も努力を続けていく意向を明らかにした。

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