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2010/11/10

ロシア

セベルスタリ、豪ウラン鉱山開発バークレー買収を準備

この記事の要約

ロシアの鉄鋼最大手セベルスタリが豪ウラン鉱山大手バークレーの買収に向け準備を進めている。欧州の原子力発電需要は今後拡大すると見られ、バークレーが開発計画中のスペイン・サラマンカのウラン鉱床を獲得して鉱山事業の新たな柱とす […]

ロシアの鉄鋼最大手セベルスタリが豪ウラン鉱山大手バークレーの買収に向け準備を進めている。欧州の原子力発電需要は今後拡大すると見られ、バークレーが開発計画中のスペイン・サラマンカのウラン鉱床を獲得して鉱山事業の新たな柱とするのが狙いだ。財務などの企業実態調査を行っているところで最終決定にはまだ至っていないが、現時点の提案通り1株あたり2豪ドルで正式に買収に乗り出した場合、買収規模は約3億400万豪ドルに上る。現地英字紙『モスクワ・タイムズ』が報じた。

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バークレーはウラン価格が下落したため2000年にサラマンカでの採掘を停止したが、現状の需要拡大傾向から見て2年後には供給不足になるとの観測に立ち、12年末までに採掘活動の開始を目指して再開発することを決めた。同社がセベルスタリによる買収に前向きなのは、プロジェクトの資金調達手段として増資や金融機関からの借入よりも条件が良いためで、セベルスタリが買収オファーを提示しなかった場合、韓国電力など他社と改めて交渉するとしている。

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サラマンカのウラン鉱山開発プロジェクトは、バークレーとスペイン国営ウラン公社ENUSAの合弁事業(出資シェア9:1)として行われる。概測鉱物資源量ベースでのウラン(U3O8)含有量は8,320万lbsで、世界でも有数の未開発鉱床とされる。

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