ロシアの非鉄金属大手ノリリスク・ニッケルは、北極圏でのニッケル鉱石の生産量を維持するため、2030年までに200億米ドルを投資する方針だ。3日付のブルームバーグが、同社幹部の話として伝えた。
\ノリリスク最大の生産部門であるPolar Divisionの責任者を務めるエフゲニー・ムラヴィヨフ氏によると、北極圏の鉱床で産出される鉱石から精製されるニッケルの量は減少する傾向にあり、現行のニッケルの生産水準を維持するためには、鉱石の生産量を年間3%の割合で拡大する必要があるという。
\Polar Divisionは北極圏のタイムイル半島でニッケル・銅・パラジウム・プラチナ・金を生産しており、ノリリスクの利益の8割を稼ぎ出す主力部門。ムラヴィヨフ氏によると、同社の保有する鉱床では今後80年間は採掘が可能であり、特に貴重な白金族金属(PGM)の産出が増加する見通しで、今後2,000億ドル相当を生産できるという。
\ノリリスク・ニッケルは、ニッケルとパラジウムの生産で世界最大手。プラチナ、ロジウム、銅、コバルトの生産でも世界有数の規模を誇る。主要生産拠点はタイムイル半島とコラ半島にあり、米国、オーストラリア、フィンランド、ボツワナ及び南アフリカでも事業を展開している。
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