中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2010/12/1

総合・マクロ

露がEUとのWTO加盟交渉終結、来年の加盟が射程圏内に

この記事の要約

ロシアと欧州連合(EU)は11月24日、同国の世界貿易機関(WTO)加盟交渉で最大の難関となっていた、ロシアが原材料輸出に課している関税を撤廃することで合意し、交渉を終結した。同関税はロシアがWTO加盟を批准した時点で撤 […]

ロシアと欧州連合(EU)は11月24日、同国の世界貿易機関(WTO)加盟交渉で最大の難関となっていた、ロシアが原材料輸出に課している関税を撤廃することで合意し、交渉を終結した。同関税はロシアがWTO加盟を批准した時点で撤廃される。両者は共同声明で、「この合意によりロシアのWTO加盟プロセスが大きく前進する」と表明。ロシアのシュバロフ第1副首相は2011年中にWTO加盟が実現するとの見通しを示した。

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ナビウリナ経済開発相も先ごろ、これまで難航していた米国との交渉がかなり合意に近づいたことで、「加盟交渉は最終段階に入った」と発言。ただ、農業補助金やロシアが低価格で輸入を許可する牛肉割当量など、多国間交渉でこれから合意しなければならない問題が残されている。

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WTO加盟のもう一つの難関はグルジアだ。同国は2008年に分離独立を求める地域の紛争にロシアが軍事介入し、同地域の国境での関税権限を奪われたとして、拒否権を行使する姿勢を崩していない。

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