アルミ世界最大手のルサールが中国進出を本格化する。北京を本拠とする中国北方工業公司(ノリンコ)の販売子会社に資本参加するほか、ノリンコとアルミ合金の製造販売で合弁事業を立ち上げる。
\ルサールが11月24日発表したところによると、中国および東南アジア地域におけるアルミ新地金販売を手がけるノリンコの子会社、深セン市北方投資有限公司の株式33%を取得する。ルサールは同社の社長と取締役1名の推薦権および監査役副会長、最高財務責任者代理(CFO代理)を指名する権利を握ることになる。取引成立には中国規制当局の承認が必要だ。
\合弁事業については、缶や車輪の材料となる合金の製造販売で意向書を取り交わした。合弁会社に対するルサール側の出資比率は51%以上となる。ルサールはシベリア工場を合弁生産事業に振り向けるほか、金属材料を供給する。工程管理業務も引き受ける。ノリンコは設備と運転資本を提供する。
\ルサールは経済危機をきっかけに、中国を初めとするアジア市場に注目。同地域を戦略的な重点市場と位置づけている。今年は総売上に占めるアジアの比率を昨年の20%から30%に引き上げる目標を掲げている。
\昨年には、アジア市場向けに年間200万トンのアルミニウム合金を供給することでノリンコと合意した。契約高は年40億米ドルを超える。
\また、上海金属取引所での取引免許を年内に取得する見通しで、これをばねに中国への出荷を急拡大させる意向だ。
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