エネルギー大手の独エーオンがロシアの国営天然ガス大手ガスプロムの株式を売却することを検討しているもようだ。露日刊紙『コメルサント』が報じたもので、同国のプーチン大統領は11月26日に予定するドイツのメルケル首相との会談でこの件を持ち出す可能性があるという。関係各社はコメントを控えている。
\エーオンは1998年12月、天然ガス元売り子会社Eon Ruhrgasを通してガスプロム株2.5%を取得して資本参加。その後出資比率を6.4%まで引き上げたものの、西シベリアのガス田開発の権益を得るため、昨年およそ3%をガスプロムに譲渡した。
\現在保有する3.5%の時価は45億ユーロに上る。コメルサント紙によると、エーオンはこれをロシアの国営銀行VEBに売却する可能性があるという。
\今回の観測が浮上した背景にはエーオンが先ごろ、総額150億ユーロ規模の資産を2013年末までに放出する方針を打ち出したことがある。ガスプロムに出資し続ける事業戦略上のメリットがかつてに比べ大幅に低下しているという事情も憶測に現実味をもたせている。
\