ロシアの資源大手が、需要の大幅拡大が見込めるアジア事業を強化している。石炭最大手のSUEKは11月24日、アジア・太平洋地域への販売拡大戦略の一環として、東京に販売拠点を開設すると発表した。主要販売先である欧州市場における石炭需要が停滞する一方、中国を筆頭に同地域の需要が急拡大していることが背景にある。
\SUEKはすでに台北とジャカルタに事務所を置いており、今年初めには北京とソウルにも事務所を開設した。来年のインド事務所開設で一連の拡大計画を完了する。東京事務所は来年1月半ばから営業を開始する予定だ。
\SUEKは昨年、アジア・太平洋地域向け輸出の強化に向けて、サハリン対岸のワニノ港に国内2番目の規模を誇る石炭輸出ターミナルを建設した。今後、同港など極東3港から日本や中国、韓国、台湾などに年約1,200万トンを出荷するという。日本ではこれまでに、東北電力や中部電力がSUEKと調達契約を結んでいる。
\ \鉄鋼大手メタロインベスト、中国企業への供給で合意
\ \ロシアの鉄鉱石生産大手メタロインベストも24日、中国2位の鉄鋼大手、宝鋼集団に年200万トンの鉄鉱石(3億2,000万ドル相当)を供給することで基本合意した。今後、正式契約に向け月ベースの販売価格などに関する交渉を続けるという。
\宝鋼集団はこれまで、国際資源大手のヴァーレやリオ・ティント、BHPビリトンから鉄鉱石を調達してきたが、現在は調達先の多角化を進めている。
\中国企業は資源やエネルギーを隣国の資源大国ロシアから調達する動きを強めており、両国の経済的結びつきは今後一段と強化される見通しだ。
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