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2010/12/1

ロシア

旅行大手トーマスクック、露同業Intouristを買収

この記事の要約

ロンドンに本拠を置く英独系の旅行大手トーマスクックは11月25日、ロシア同業Intouristの資本50.1%を露複合企業システマから取得し経営権を取得すると発表した。今回の買収によりロシアの旅行市場に進出。急速に拡大す […]

ロンドンに本拠を置く英独系の旅行大手トーマスクックは11月25日、ロシア同業Intouristの資本50.1%を露複合企業システマから取得し経営権を取得すると発表した。今回の買収によりロシアの旅行市場に進出。急速に拡大する需要を取り込む意向だ。取引はカルテル当局の承認を経て来年2月までに成立する見通しという。

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取引金額は4,500万ドルで、そのうち1,000万ドルを現金、残り3,500万ドルを自社株で支払う。5年後に完全子会社化するオプション権も取得した。ホテル部門は取引対象に含まれていない。

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Intouristは旧ソ連の国営旅行会社で、かつては市場を独占していた。旅行代理店数は現在144カ所。昨年は経済危機の影響もあり税引き前ベースで420万ユーロの赤字を計上した。

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トーマスクックは買収後、Intouristの販売網をモスクワ、サンクトペテルブルクを中心に拡大する。ロシアでは日光と海岸を求めて国外に旅行する市民が増えており、特にエジプトやトルコの人気が高い。トーマスクックは地中海に面したこれらの国に堅固な事業基盤を持っており、Intouristはホテル手配などで大きなメリットを受けられる。

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