チェコのマルチン・コツォウレク産業貿易相は6日、米ワシントンでゲーリー・ロック商務長官と会談し、両国の原子力エネルギー相互協力宣言に署名した。両国は今後、商用および研究用原子力分野で協力を進める。7日付プラハ・デイリー・モニターが報じた。
\東芝傘下の米原発大手ウェスチングハウスは、チェコ南部にあるテメリン原子力発電所1号機・2号機の建設に協力し、核燃料供給も請け負ってきたが、2006年の入札で露TVELに敗北。今年からはTVELが燃料供給を担当している。同原発では現在3号機・4号機の建設が計画されており、ウェスチングハウスはチェコ・ロシア合弁のシュコダJSアトムストロイエクスポルト、仏アレバなどとともに入札を予定。混戦が予想されるが、チェコのネチャス首相によると、2013年にも契約先が決定する見通しだ。今回署名された協力宣言で、ウェスチングハウスに入札の優先権が与えられることはないものの、米・チェコ両国は原子力エネルギー分野において二国間協力を推進して行くことになる。
\「原子力ルネッサンス」ともいわれる米国では、オバマ大統領が原子力発電所の新設に意欲的だ。一方のチェコはエネルギー分野に留まらず、貿易や投資などでも米国との二国間協力を積極的に進めて行きたい考え。今回のワシントン会談では、両国の思惑が一致した形となった。
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