仏重電大手アルストムは9日、ロシアのエネルギー大手数社と、同国で水力・火力・原子力・送電事業を共同実施することで合意した。合意文書の調印には、アルストムのクロン会長兼最高経営責任者(CEO)および電力インフラ子会社アルストム・パワーのジュベール社長のほか、ロシアを訪れていたフィヨン仏首相とプーチン露首相、シマトコ露エネルギー相が立ち会った。
\アルストム・パワーは水力発電分野で、露水力発電最大手のルスハイドロと協力し、クバーニ川のダムを近代化するほか、バシコルトスタン共和国に水力発電所を建設する。火力発電においては、露国営ガスプロムの子会社モスエネルゴの発電設備を近代化することで合意した。原子力分野では、2007年にアルストムが露国営ロスアトムと設立した合弁企業アルストム・アトムエネルゴマシ(AAEM)を通して原子力タービンの製造などを進める。送電分野では、アルストム・グリッドと露送電企業FSKが、モスクワ郊外スコルコボ革新技術センターで「スマート・グリッド」の導入に向け共同研究を行う。
\ロシア政府は年々高まる国内の電力需要に対応すべく、現在6基の原子炉を建設中。さらに2030年までに水力発電容量を倍増、火力発電設備の効率向上を目指すなど、電力供給拡大に向けた取り組みを積極的に推進している。
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