ハンガリー中央銀行は20日、市場の予想に反して政策金利を5.75%へと0.25ポイント引き上げた。先月29日に実施された2年ぶりの利上げに続くもので、金利水準はわずか20日余りの間に0.5ポイント上昇したことになる。シモル中銀総裁は、依然としてインフレ圧力が高いことを理由に挙げた。ただ、中銀がオルバン政権の財務政策を強く批判してきた事実から、市場関係者の間では、政府をけん制する意味もあるとみられている。
\再利上げを受けて市場株価は低下した。欧米投資家の間でハンガリー経済政策に対する疑念が強まっているためとみられる。仏クレディ・アグリコール、独コメルツ銀行、野村インターナショナルなどのアナリストは、政府が金利政策への影響力を強める4月を前に、中銀が利上げを急ぐ可能性が強いとの見解で一致している。
\中道右派のオルバン政権は低金利政策を標ぼうし、今年5月の発足以来、中銀に利下げを迫ってきた。また、◇公務員給与削減の一環として総裁および政策理事の給与を大幅に減額◇政策理事4名の任期が3月に切れるのを前に、総裁の理事指名権をはく奪――など、圧力を高めている。
\一方の中銀側は、一貫して政府の財務政策を批判してきた。特に歳入増を目的とした特別税は、◇事実上、欧米企業の現地子会社を対象としている◇売上高が算定基準となっており、利益が出なくても課税される――などの問題があると指摘。特別税がインフレ圧力をさらに強めており、利上げなしには来年と再来年のインフレ目標3%は達成不能と主張している。
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