チェコで電子書籍端末と電子書籍の売上が急速に伸びていることが、出版社を対象にチェコ通信(CTK)が実施した聞き取り調査でわかった。国内で端末を保有している人は数万人に上ると推定され、出版社も拡大する需要に対応して書籍のデジタル化を進めている。すでに数百冊が電子書籍として入手できるという。
\電子書籍端末と電子書籍のネット販売会社「eReading」は、「我々の推定では、国内外で端末を購入したチェコ人は5万人前後で、当社の月間売上成長率が35%に上る事実が示すように、需要は伸び続けている」と指摘する。
\早くから電子書籍を手がけた出版社Fragmentでは今年、月20タイトルを出版する計画だ。人文科学系の書籍を得意とするPortal出版も先月から電子書籍の出版に踏み切った。同社はその理由として、電子書籍リーダーを持つ人が増えている事実に加え、市場の要求が強まっていると判断したと説明している。ただ、財務への電子書籍の貢献度については「まだ分析を行っていない」としてコメントを避けた。
\紙に印刷された一般書籍の今後については、チェコ人が米国人などに比べると保守的なため、電子書籍に押されて姿を消すことはない、との見方で回答者の意見が一致した。
\チェコは昨年、電子書籍元年を迎えたようだ。電子書籍端末の販売台数は急激に伸び、出版社も電子書籍のタイトル数増加に本腰を入れ始めた。国内販売店では3,000コルナ前後から端末が売られており、電子書籍が一般書籍よりもずっと安いことを考えると、端末を購入しても比較的早く元が取れるという。ただ、チェコ書籍市場における電子書籍のシェアはごく小さい。チェコ統計局(CSU)の推定では、書籍市場全体の規模は45億コルナ以上。書籍販売業者の推測では最大90億コルナとなっている。(1CZK=4.66JPY)
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