欧州復興開発銀行(EBRD)は1月24日に発表した報告書で、中東欧・中央アジアの2011年の平均経済成長が4.2%になるとの見通しを示した。金融危機で深刻な打撃を被った欧州新興国の経済は、ユーロ圏の景気回復に伴い再び成長軌道に戻りつつあるものの、不安材料は依然として多く下振れリスクがあるとしている。
\報告書は、ユーロ圏の経済が予想を上回って好調に推移していることや、米国の積極的な景気刺激策、商品価格の上昇などは中東欧経済にとって追い風となり、民間主導の回復が期待できる指摘。一方で、ユーロ圏で金融緩和によるインフレ懸念の増大から欧州中央銀行が金融引き締めに予想よりも早いタイミングで動くようなことがあれば、中東欧からの資金引き揚げが加速する可能性があることに加え、年金基金に対する国家支出の削減や銀行税の導入といった政策の導入は投資家を遠ざけることにつながりかねないと警告している。
\11年の地域・国別予想成長率は、資源国が多く商品価格上昇の恩恵を受ける中央アジアが6.6%と最も高く、東欧及びカフカス地方は4.0%、中欧・バルト3国が3.2%、南東欧は1.9%、ロシアが4.6%、トルコが5.0%となっている。
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