2008年の金融危機で冷え込んでいた中東欧の不動産市場が再び活発化してきた。不動産コンサルティング国際大手のCBリチャードエリス(CBRE)の調査によると、2010年の中東欧不動産市場への投資額は前年比9割増の50億ユーロで、危機前の水準に回復した。
\ただ、国による差が著しく、ロシア、ポーランド、チェコは市場が非常に活況を呈し、同3カ国の投資額が全体の8割以上を占めた一方で、その他の国では高い投資利回りを期待できるものの、空物件がまだ非常に多く、景気回復が腰折れするリスクも高いため、不動産投資は低調だった。
\ロシア不動産市場への投資は全体の37%を占めたが、国内投資家が市場をほぼ独占する展開だった。同国の不動産取引の中心地であるモスクワでは、不動産投資利回りがほぼ10%を維持している。また、商業用不動産市場としてはロンドンを抜き欧州第2の規模を持つ。
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