ロシア国鉄(RZD)は28日、高速鉄道幹線の新設計画に関連する入札を今年12月から開始すると発表した。対象となるのは2018年のサッカー世界選手権(W杯)開催に向けて敷設されるサマラ―サンクト・ペテルブルグ線で、まずモスクワ―サンクト・ペテルブルグ区間(660キロメートル)を入札にかける。落札者は設計、建設、資金調達、保守業務を請負う。また、該当区間に関し30年の営業権を得る。全区間の総工費は推定500億ユーロ。うち最大70%を政府が負担し、残りについて外部からの投資を募る。
\同プロジェクトの運営はRZD子会社のHigh-Speed Rail Linesが担当する。同社は3月に、プロジェクトに関心のある投資家を対象に説明を実施する方向だ。世界銀行や欧州復興開発銀行(EBRD)などの国際金融機関や、ズベルバンク、外国貿易銀行(VTB)、対外経済銀行(VEB)などの国内金融大手から資金を調達できると見込む。工期は2013~17年の予定。
\モスクワ―サンクト・ペテルブルグ区間の工事費は100億~150億ユーロと見込まれる。これに用地買収費用が加わる。最高時速400キロの新型高速車両で両都市を結び、所要時間は現在の4時間半から2時間半へと大幅に短縮するという。
\High-Speed Rail Linesは2018年のW杯開催に向けて、サマラ―サンクト・ペテルブルグ線のほか、全長3,000キロのウラル幹線を整備する方針。これにより、W杯の試合が行われるニージニー・ノブゴロド、カザン、サマラ、エカテリンブルクがモスクワと結ばれる。長期的にはウクライナの首都キエフ、ベラルーシの首都ミンスクへも幹線網を伸ばしたい方向だが、一方で2014年に冬季オリンピック大会が開かれるソチに向けた国内南部幹線ルートは計画が中止された。
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