国営外国貿易銀行(VTB)がモスクワ銀行の完全売却に向けて大きく前進した。同社は22日、モスクワ銀行株46.5%と同行株17.3%を保有する保険会社Stolichnaya Strakhovaya Grupa(Capital Insurance Group:CIG)の少数阻止株をモスクワ市政府から1,030億ルーブル(35億米ドル)で買収すると発表した。モスクワ銀行獲得でリテール事業の強化を図り、国内最大手のズベルバンクを追撃する方針だ。
\モスクワ銀行は資産規模で国内5位の大手。リテール業務に強く、VTBの2倍に当たる950万口の口座を管理している。
\VTBはすでに昨年、モスクワ銀行買収への関心を公にしていた。先月14日の部分民営化では33億ドルの資金を調達したばかりだ。
\ただ、ルシコフ前市長時代から経営に携わってきたモスクワ銀行の幹部はVTBによる買収に抵抗する姿勢を示している。35%以上の株式はこれら幹部が保有しており、経営権の移行が完了するまでにはいくつかの障害を越える必要がありそうだ。
\モスクワ銀行にはまた、ルシコフ前市長の采配で、十分な支払能力調査なしに資金を貸し付けた過去がある。このため、買収が成功した後もVTBは不良債権の問題を避けては通れないとみられる。
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