ロシア政府は、東北地方太平洋沖地震で甚大な被害を受けた日本に対し、救助隊派遣やエネルギーの追加供給などの支援を実施することを決めた。昨秋、メドベージェフ大統領が北方領土の国後・択捉島を訪れたことを機に両国間の関係画冷却化していたが、未曾有の災害との認識に基いて領土問題を棚上げし、支援策を優先させる。一方で、原子力公社(ロスアトム)の原発事業計画については修正の必要はないとの見方だ。
\原発事故で発電能力が落ちている日本の要請に基づき、メドベージェフ大統領は14日、エネルギー・発電燃料の追加供給に踏み切ることを決断。セチン副首相に準備を命じた。4月と5月に液化天然ガス(LNG)20万トンを供給するほか、石炭を数百万トン、電力6,000メガワットを振り分ける。現行契約外の取引については「非常事態であり、妥協点は必ず見つかる」との考えを示した。
\ロシアはまた、緊急支援策として、被災地に180人弱の救援部隊を派遣したり、救急設備・車両など救援物資を提供している。
\ \■原子力政策の修正不要=プーチン首相
\ \事故のあった福島原発から800キロしか離れていないウラジオストクでは、放射能に対する住民の不安を反映し、放射線検知器の売れ行きが伸びている。しかし、プーチン首相は、原子炉自体が破壊されるような爆発には至らないとの国内専門家の意見を引用し、ロスアトムの原発建設事業計画を現状のまま推進する立場を明らかにした。ロスアトムは電力需要が拡大するアジア諸国を中心に原発建設の受注拡大を目指している。
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