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2011/3/16

ポーランド

ポーランド国鉄、貨物事業を民営化

この記事の要約

ポーランド政府が国営鉄道PKPの貨物輸送子会社PKPカーゴを民営化する。PKP広報のクルピエフスキ氏が現地日刊紙『ジェチポスポリタ』に語ったところでは、政府は株式の50%プラス1株を売却する方針で、近々入札を公示する計画 […]

ポーランド政府が国営鉄道PKPの貨物輸送子会社PKPカーゴを民営化する。PKP広報のクルピエフスキ氏が現地日刊紙『ジェチポスポリタ』に語ったところでは、政府は株式の50%プラス1株を売却する方針で、近々入札を公示する計画だ。ただし、インフラ省のカルピンスキ報道官は、放出株式シェアは売却交渉次第で変わる可能性があることを示唆している。『ジェチポスポリタ』はPKPカーゴの企業価値を21億ズロチ、業界筋は30億ズロチと推定している。

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PKPカーゴの買収には複数の投資ファンドが名乗りを上げると見られる。一方、東欧事業拡大に意欲的なドイツ鉄道(DB)は、子会社DBシェンカーを通して2009年にPCCレールを買収済みで、ポーランドの鉄道貨物市場で民間最大手に躍進している。このため、独占禁止法上、DBがPKPカーゴに資本参加することは不可能と見られる。

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PKPカーゴは欧州業界第2位で、機関車両約2,700台、従業員数26,000人を擁する。2010年の売上高は46億ズロチ。業界筋の推定によると5,000万ズロチの純利益を確保し、5年ぶりに黒字転換した。09年は5億ズロチ近い赤字だった。(1PLN=27.84JPY)

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