ロシア4位の鉄鋼メーカー、マグニトゴルスク製鉄(MMK)が、トルコ・アタカスグループとの合弁会社を完全買収する。需要拡大を機に事業成長を図る戦略の一環で、重点市場の一つであるトルコでの地位を固める。
\MMKの11日発表によると、合弁会社MMKアタカス製鉄所の株式50%マイナス1株を4億8,500万米ドルで買収し、100%子会社化する。手続きは11月までに完了する見通しだ。
\ロシア投資銀行のウラルシブ・ファイナンシャルは今回の取引を「理にかなった判断」と評価。すでに来年の時点でMMKアタカスが連結営業利益(EBITDA)の10%を稼ぎ出すとの予想を明らかにした。
\MMKアタカス製鉄所はトルコ南部イスケンデルンに位置し、MMKによる投資額は21億ドルに上る。生産量は今年の80万トンから来年には200万トンを超え、最終的に230万トンに達する見通し。トルコ国内の需要増加に対応し、自動車メーカーなどに圧延鋼を供給する計画だ。
\MMKの本拠であるロシアでも鉄鋼需要が伸びている。MMKのラシニコフ社長は今月、2018年のサッカー世界選手権開催に向けたプロジェクトの開始で、今年の鉄鋼市場成長率が10%以上に達するとの見通しを示した。スタジアムや空港、道路の整備計画を視野に入れ、平鋼・圧延鋼を中心に増産を図る方針だ。グループの鉄鋼生産量を2014年までに昨年の1,140万トンから1,860万トンへ引き上げる計画で、ウクライナに近いベルゴロド州のプリオスコルスキー鉱山の開発にも取り組んでいる。
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