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2011/3/23

ポーランド

フィアット・ポーランド、2010年は赤字転落

この記事の要約

伊自動車大手フィアットのポーランド子会社の2010年決算は、最終損益が前年の過去最高となった8億2,000万ズロチの黒字から8,200万ズロチの赤字に転落した。売上高は15%減の164億ズロチ。2002年以降で初めての赤 […]

伊自動車大手フィアットのポーランド子会社の2010年決算は、最終損益が前年の過去最高となった8億2,000万ズロチの黒字から8,200万ズロチの赤字に転落した。売上高は15%減の164億ズロチ。2002年以降で初めての赤字決算となった主因は、ズロチ高で販売が大きく落ち込んだためとしている。現地日刊紙『ガゼタ・ヴィボルチャ』が15日報じた。

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ポーランド南部にあるティヒ工場の生産台数は前年比12%減の53万4,000台。前年は国内自動車業界全体の3分の2にあたる60万6,000台を生産していた。同工場の主力生産モデルである「パンダ」は、今年、新世代モデルへの切り替えに伴い生産がイタリアのナポリ近郊の工場に移される。代わりにランチア「イプシロン」が生産される予定だが、生産台数は大幅に減ると見られる。

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業績悪化と同時に、約500人の従業員を抱えるティヒ工場では賃上げ交渉が難航している。労組が月額500ズロチの賃上げを要求するのに対し、経営側の提示額は130ズロチと大きく開きがある。伊親会社はこれまでにポーランド子会社から合計13億6,000万ズロチの利益配当を得たとされる。(1PLN=28.50JPY)

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