ロシアのプーチン首相は15日、東北関東大地震により発生した福島第1原子力発電所事故の問題が深刻化したことを受けて、エネルギー省、環境省、国営原子力企業ロスアトムに対し、国内全ての原発施設の検査と、核エネルギー計画の再検討を指示した。これにより、プーチン首相は原子力発電計画の見直しはないとする前日の発言から一転し、原発問題に慎重な姿勢を示した。
\現地英字紙『モスクワ・タイムズ』によると、ロスアトムは国内外で計画している大規模な原発建設について修正の必要はないという見解だ。同社の建設した原発がインドの津波やアルメニアの大地震で影響を受けなかったことを挙げ、技術に問題がないことを強調。同社の海外事業子会社Atomstroiexportは現在5つの建設プロジェクトに着手しているが、ブルガリアとトルコが早くも安全性向上を要求してきたという。
\世界各国で原発計画見直しの動きが出ていることに対し、ロスアトムは「エネルギー需要が核の脅威に負かされることはない」とし、同社がすでに海外で合意している30の建設計画に影響が及ぶことは懸念していないもよう。元核エネルギー省副大臣のNigmatulin氏も、中国やインドなど地震多発国の建設予定地が沿岸地域から内陸部に移されることは考えられるが、電力需要の大きさから見て原発政策への大きな影響はないとの見方だ。
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