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2011/5/4

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

スロベニア、銀行税導入へ

この記事の要約

スロベニア政府は4月21日、銀行のバランスシートに基づく特別課税制度の導入に関する法案を閣議で承認したと発表した。金融危機以降低迷している実体経済部門に対する銀行貸し出しの活発化を促すことが目的で、議会での審議を経て施行 […]

スロベニア政府は4月21日、銀行のバランスシートに基づく特別課税制度の導入に関する法案を閣議で承認したと発表した。金融危機以降低迷している実体経済部門に対する銀行貸し出しの活発化を促すことが目的で、議会での審議を経て施行される。

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特別課税制度は、貯蓄銀行を除くスロベニアで営業するすべての銀行を対象に資産額に応じて課税するもので、税率は0.1%。ただし、非金融部門への貸し出しが前年度より5%以上増加した銀行と、非金融部門への貸し出しがバランスシートに占める割合が60%を超える銀行は、課税対象から除外される。クリジャニッチ財務相は閣議後、「銀行税を導入する目的は税収拡大ではなく、経済に悪影響を与える貸し渋りに歯止めをかけることにある」と述べた。同財務相によると、銀行税による税収見込みは500万ユーロ程度だという。

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銀行税の導入を巡っては、中央銀行が不良債権処理に苦しむ金融機関に負担の追い討ちをかけることになるとして難色を示している。中銀のクラニェツ総裁は先ごろロイター通信の取材に対し、2011年1-3月期の国内銀行の損失は1,500万ユーロだったことを明らかにするとともに、銀行業界は通年でも赤字を計上する可能性が高いと述べた。

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