中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/5/11

総合・マクロ

中東欧の自動車業界、震災による部品不足で減産の動き

この記事の要約

東日本大震災による部品不足が、中東欧の自動車業界にも影響を及ぼし始めた。スズキ自動車のハンガリー子会社であるマジャールスズキは3日、震災で部品が不足しているため、ブダペストに近いエステルゴム工場における生産体制を2シフト […]

東日本大震災による部品不足が、中東欧の自動車業界にも影響を及ぼし始めた。スズキ自動車のハンガリー子会社であるマジャールスズキは3日、震災で部品が不足しているため、ブダペストに近いエステルゴム工場における生産体制を2シフト制から1シフト制に切り替えた。代替調達先の選考を含めて3週間以内に問題解決を図り、6月初めまでには2シフト制を復活させたい考えだ。

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生産体制の変更でエステルゴム工場の日産台数は850台から400~430台に半減する見通し。昨年は通年で17万台を出荷し、今年も同水準の生産を計画している。これまでのところ、マジャールスズキの納期に遅れは出ていない。1シフト制への移行に伴う解雇はないが、労働時間減少分の賃金保証は行わない。

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マジャールスズキは3月11日の大震災と津波を受けて、日本からの部品調達に問題が生じても45日間は2シフト制が継続できるとの見通しを示していた。

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独アウディも自動車やエンジンに日本製部品を採用しているが、ハンガリー北西部にある同社のジュール工場では部品の調達に問題は生じていないもようだ。

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■ルノーもスロベニアで減産、日本の震災による部品不足で

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仏自動車大手ルノーのスロベニア子会社、レボズ(Revoz)も5月23日からノヴォ・メスト工場における夜間シフトを一時停止し、生産体制を3シフト制から2シフト制に切り替える。東日本大震災の影響による部品不足が続いているため。ルノーは、減産は一時的措置とする一方、夜間シフトの再開時期は未定だとして、減産期間が月単位となる見通しを示した。

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レボズは、減産を理由にノヴォ・メスト工場の従業員2,346人のうち約520人の期間従業員を解雇する。ただ、同社労組によると、夜間シフトが復活した際には再雇用する方針だ。同工場では、小型車の「トゥインゴ」や「ウィンド」、「クリオII」を生産しており、2010年の生産実績は約21万台だった。現在は週、約1,500台を生産しているが、減産により、顧客への車両納入に1週間ほどの遅れが出るもようだ。

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■レボズの10年売上高、過去最高に

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レボズが5日発表した2010売上高は13億2,000万ユーロとなり過去最高を記録した。低燃費車の需要増大が奏功したという。純利益は1,860万ユーロ。利益余剰金は6,070万ユーロで、投資に充てる方針だ。

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ルノー・日産アライアンスは昨年、独ダイムラーと戦略および資本提携で合意した。このため、ノヴォ・メスト工場では2013年に、ダイムラーの超小型車「スマート」の4人乗りモデルの生産が始まる予定だ。最終決定は今年中に下される見通しという。

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