中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/5/25

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ハンガリーMOLに市場操作の疑い、クロアチアINA株取得をめぐり

この記事の要約

クロアチアの石油会社INAの株式取得をめぐって、クロアチア金融監督庁(HANFA)とハンガリー石油大手MOLの対立が先鋭化している。HANFAは18日、MOLがINA株式の購入に当たって市場を操作した疑いを固め、23日、 […]

クロアチアの石油会社INAの株式取得をめぐって、クロアチア金融監督庁(HANFA)とハンガリー石油大手MOLの対立が先鋭化している。HANFAは18日、MOLがINA株式の購入に当たって市場を操作した疑いを固め、23日、INA株のザグレブ証券取引所における売買停止措置を延長した。同措置は先月28日に初めて発令し、これまでは期限を切って延長してきたが、今回は審査が完了するまでとし、具体的な日付を決めていない。

\

MOLは昨年12月15日から1月14日にかけて株式の公開買い付けを実施、1株あたり2,800クナ(378ユーロ)で1万株(0.1%)を取得した。HANFAは、MOLがこの時点で過半数株式取得の意図を明らかにしていなかったことが「株価に影響を与える情報」の公表を義務付ける資本市場法に抵触するとみている。また、その後もメディアを通じて誤解を与える情報を流したと主張している。MOLは4月までに1.6%の買収オプションを含め、INA株の49.07%を握っている。

\

MOLはHANFAの照会に対し、公開買い付け後に4回にわたり合計2万1,000株を取得したことを明らかにしたが、あくまでも法に則って取引が行われたとの立場だ。また、HANFAの管轄外の事項についても自主的に公開するなど、審査に協力していると強調し、HANFAに国外投資家を公平に扱うよう求めている。

\

INA株価はMOLの買収により急騰した。公開買収提案の提示額(2,800クナ)は直前の取引額の1.6倍だったが、3月15日にはそれまでの記録を更新する4,050クナの最高値をつけた。取引停止前日の4月27日の終値は4,200クナだった。(1HRK=15.59JPY)

\