欧州委員会は9日、ハンガリー国営のマレーブ航空に対し、公的支援の返済を命じた。存続のめどが立たないまま資金を注入し続けるハンガリー政府の行為が「公正競争をゆがめている」との見方だ。債務危機を逃れるために欧州連合(EU)からの新たな金融支援を必要としているハンガリーの立場がさらに悪化しそうだ。
\ハンガリー政府は欧州委の決定を尊重するとしながらも、来週の閣議でマレーブの今後について討議するとして直接的な回答を避けた。
\マレーブ航空は市場競争に耐えるには規模が小さく、深刻な財務危機に陥っている。数年来、赤字決算が続いており、昨年の損失は250億フォリント(8,000万ユーロ)に上ったもようだ。昨年夏には増資の形で政府が2,500万ユーロを注入。先月も政府から1,500万ユーロの融資を受けた。過去5年の政府支援は総額3億ユーロ弱にも上っている。
\マレーブ航空は歴代のハンガリー政府が同社の民営化を試みたが、いずれも失敗に終わった。現在も新たな投資者を探しているが、中国・海南航空との交渉も先月に打ち切られ、状況を打開できるめどは立っていない。
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