独バイエルン州立銀行(BayernLB)は12日、ハンガリー子会社MKBバンクの評価替えにともなう償却費の計上で、ドイツ商法に基づく2011年個別決算が赤字に転落する見通しだと発表した。国際会計基準(IFRS)による決算は赤字予告の対象ではない。同行の主要株主であるバイエルン州政府や貯蓄銀行も損失を負担することになる。
\バイエルン州立銀は、ハンガリーで導入された銀行業界特別税の納付や、外貨建て債務への割引為替レートの適用に加え、同国経済の見通しが悪化していることから、評価替えが避けられなくなったと説明した。償却規模は、昨年11月の時点で「1億ユーロ以上」としていたが、今回、新たなコメントはなかった。
\MKBバンクの特別税の納税額は5,000万ユーロを超える。また、昨年9月には外貨建て債務の一括返済を希望する人には割引レートを適用し、為替差損を負担することを銀行に義務付けた法律が発効。ハンガリー銀行協会は、年末の時点で業界の損失が9億5,000万ユーロに達したと発表した。一括返済の通知は今月末で受付が終了するが、業界では最大で30億ユーロに達する恐れがあるとみている。
\MKBバンクの株主はクリスマス前に2億ユーロの資本注入を決定した。出資比率はバイエルン州立銀が90%、オーストリア大手銀行BAWAGが10%となっている。
\バイエルン州立銀は金融危機で大きな打撃を受けたほか、オーストリアのヒポ・グループ・アルペ・アドリア(HGAA)の買収で合わせて80億ユーロ弱の損失を被った。この危機を州・連邦政府からの支援で乗り切った経緯がある。
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