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2012/4/25

ロシア

メガフォン、20億ドル融資で銀行団と合意

この記事の要約

ロシア移動通信2位のメガフォンは18日、シティバンク、BNPパリバ、バークレーズの3行から20億米ドルの協調融資を受けることで合意したと発表した。目的は明らかにしていないが、現地報道によると、アルファグループを率いるミハ […]

ロシア移動通信2位のメガフォンは18日、シティバンク、BNPパリバ、バークレーズの3行から20億米ドルの協調融資を受けることで合意したと発表した。目的は明らかにしていないが、現地報道によると、アルファグループを率いるミハイル・フリードマン氏の保有する株式25.1%を買い戻す資金となるもようだ。

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さまざまな筋の情報を総合すると、主要株主の一人であるアリシェル・ウスマノフ氏は、フリードマン氏の株式を買収して経営権を獲得し、年内に最大20%の株式を公開して資金を調達。第4世代(4G)携帯サービスの立ち上げに向けて投資する意向だ。競合スカルテルとの提携のほか、ロシア固定通信最大手ロステレコムとの合併の可能性もささやかれている。

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スカルテルは4G携帯事業免許を保有しており、近くサービスを開始する運びだ。一方で、モバイル・テレシステム(MTS)、メガフォン、ビンペルコムの携帯3社と、ロステレコムはサービスに必要な周波数帯を確保しなければならない段階にある。

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バンクオブアメリカ・メリルリンチの調べによると、ロシアでは今後数カ月以内に4GのLTE規格免許の入札が実施され、これら4社が落札する公算が高い。

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4Gサービスの初期投資は50億ドル必要と言われ、金融筋および通信業界筋は、金融投資家であるフリードマン氏が投資の大きさをきらって持ち株放出に動いたのではと推測している。

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スウェーデンの通信大手テリアソネラは出資比率を引き下げるかどうかについてコメントを避けている。しかし、ロシア資本によるメガフォンの経営を維持するため、IPOで持ち株を売却することを迫られるもようだ。

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メガフォンがIPOで株式20%を放出すれば、調達資金は40億ドルに達すると見込まれる。また、フリードマン氏が保有する株式の評価額は50億ドルに相当する。

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メガフォンは2011年末時点の加入者数が6,160万人に上る。最大手のMTSは7,000万人、3位のビンペルコムは5,720万人だった。メガフォンの2011年売上高は80億ドル。現在の出資構成はテリアソネラが43.8%、ウスマノフ氏が31.1%、アルファグループの電気通信部門アルティモが25.1%となっている。(東欧経済ニュース4月18日号「移動通信メガフォンの出資構成変更か、株主間で交渉中」を参照)

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