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2012/4/25

ロシア

IMF、今年の予想成長率を4%に上方修正

この記事の要約

国際通貨基金(IMF)は19日に最新の世界経済見通しを発表し、今年のロシアの経済成長率予想を年初予測の3.3%から4%に、2012年を3.5%から3.9%に上方修正した。一方、ロシアの経済開発省は投資活動が減速するとの見 […]

国際通貨基金(IMF)は19日に最新の世界経済見通しを発表し、今年のロシアの経済成長率予想を年初予測の3.3%から4%に、2012年を3.5%から3.9%に上方修正した。一方、ロシアの経済開発省は投資活動が減速するとの見方から、今年の成長率を当初の3.7%から3.4%に、来年を3.9%から3.8%に引き下げたばかりだ。

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IMFは緊迫する中東情勢を背景に石油や天然ガスなど天然資源の価格が上昇し、今年は当初の予想以上に経済成長の追い風となると見る半面、ユーロ圏の財政危機が需要を圧迫し10~17%の価格下落リスクも示唆。また、財政危機が拡大し欧州の銀行が資金回収に動けばロシアの金融業界にも影響が及ぶ可能性があると指摘している。

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今年目標とする対国内総生産(GDP)の財政赤字比率1.5%の達成には、原油価格の上昇により政策余地があると、ロシアの財務省は楽観的だ。これに対し、IMFは欧州財政危機による短期的リスクを警戒し、さらに財政緊縮に努めるよう忠告。また、インフレ率も今年が4.8%、来年が6.4%と加速するとの予測に立ち、金融政策では引き続きインフレ抑制に注力するよう提言している。

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