ロシアの富豪デリパスカ氏が率いる投資会社ベーシック・エレメント(BE)は28日、中国国営の中国北方工業公司(ノリンコ)とエンジニアリング、鉱業、金属分野におけるプロジェクトの共同実施に向けて基本合意したと発表した。これにより、2014年までに提携規模を10億米ドル以上に引き上げる。
\協定では、(1)BEグループに属するアルミ世界最大手、ルサールの対中輸出を拡大(2)ルサールがイルクーツク州タイシェトで建設中のアルミ製錬所でノリンコ製設備を採用することを具体的に検討(3)ノリンコが、ルサールのクラスノヤルスク製錬所にロシア最大規模の圧延工場を設置するプロジェクトに参加することで交渉(4)ロシアおよび国外における資源開発での長期提携に向けて交渉(5)BEグループの工業持ち株会社、ロシアン・マシーンズがノリンコから最大1万5,000組の鉄道車両部品を購入(6)ロシアン・マシーンズとノリンコが技術開発を共同実施――が合意された。
\(1)では、ノリンコとの合弁会社、北方工業特有(ノース・ユナイテッド・アルミニウム)へのアルミ供給を拡大する。(3)はクラスノヤルスク製錬所で増産に向けた近代化が進められていることと関連する。(6)は、提携を部品取引から車両の共同開発・製造・保守サービスへ広げるためのステップと位置づけられている。
\今回の提携拡大は、次期首相と目されている李克強・副首相のロシア訪問に合わせて発表された。28日にはロシアと中国の企業間で27の提携文書に調印が行われた。総契約規模は推定150億ドル。BEとノリンコのほか、規模の大きいものとしては長距離ワイドボディ旅客機の共同設計がある。
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