オーストリア国営金融グループのヒポ・グループ・アルペ・アドリア(HGAA)が南東欧事業の売却を始める。15億ユーロの売却益を見込んでいる。独日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ』が22日報じた。事業売却の対象となるのは、旧ユーゴスラビア5カ国にある銀行6行やリース会社3社とオーストリア本社の関連事業部。
\同社のクラネビッター社長が21日報道陣に明らかにしたところによると、スロベニア、クロアチア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロの子会社のリストラはほぼ完了した。売却先候補は年末までに決める予定。今回の事業売却のアドバイザーはドイツ銀行が担当する。
\クラネビッター社長は売却先候補については明らかにせず、「ロシアかトルコ、または東南アジア。欧州の企業もありうる」と述べるにとどめた。また、非金融系の企業となる可能性も示唆した。
\同社の旧ユーゴ5カ国における資産総額は昨年125億ユーロだった。255の支店と4,600人の従業員、約110万人の顧客を持っている。
\HGAAは2007年に独大手州立銀行のバイエルンLBに買収されたがその後、経営難に陥った。バイエルン州立銀行は2009年12月、救済措置としてHGAAをオーストリア政府に譲渡した。バイエルンLBの「誤った買い物」によって、バイエルン州の納税者は総額37億ユーロの負担を強いられた。このため、オーストリアとドイツの裁判所で現在も法手続きが行われている。
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