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2012/5/30

ハンガリー

ハンガリーの銀行利益、1-3月は大幅落ち込み

この記事の要約

ハンガリーの銀行業界の今年1-3月期の税引き後利益は総額313億フォリント(約1億300万ユーロ)にとどまり、低調だった前年同期の半分にまで落ち込んだ。現地英字紙『ペスターロイド』がこのほど報じた。\ 特に外資系銀行が苦 […]

ハンガリーの銀行業界の今年1-3月期の税引き後利益は総額313億フォリント(約1億300万ユーロ)にとどまり、低調だった前年同期の半分にまで落ち込んだ。現地英字紙『ペスターロイド』がこのほど報じた。

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特に外資系銀行が苦戦している。オーストリアのエルステ銀行やライフアイゼン・インターナショナル(RBI)、フォルクスバンクは巨額の損失を計上した。エルステは資金注入をするとともに、一部の支店を閉鎖。フォルクスバンクはロシアの大手銀ズベルバンクに事業を売却した。また、外資系2行が同国から完全撤退し、独バイエルン州立銀行も傘下のMKBを売却した。(東欧経済ニュース3月14日号「仏アクサ・バンク、ハンガリー事業縮小、損失拡大で13拠点を閉鎖」を参照)

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一方、ハンガリーの最大手銀行OTPは大幅な増益を確保した。

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ハンガリーの銀行が業績悪化に苦しんでいる背景には、不良債権が増え続けていることがある。特に外貨建て融資債権の不良化が著しい。不良債権の比率は平均で15%にも達している。ハンガリー中央銀行によると、所得減少や物価上昇などによりこの比率は2013年に22%にまで拡大する可能性がある。

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ハンガリー銀行協会は、銀行税が欧州平均の17倍となっていることや金融取引税の導入が今月閣議で決定されたことから、銀行の負担がさらに重くなるとの警戒感を強めている。

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