中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2012/6/20

ハンガリー

ハンガリー銀行税、前倒しで廃止か

この記事の要約

ハンガリーのオルバン首相は12日、ウィーンのオーストリア商工会議所で講演し、銀行税の完全廃止を来年初めに前倒しする可能性があることを明らかにした。来年初めの金融取引税導入が決まったことで、銀行業界が負担増に強く抵抗してい […]

ハンガリーのオルバン首相は12日、ウィーンのオーストリア商工会議所で講演し、銀行税の完全廃止を来年初めに前倒しする可能性があることを明らかにした。来年初めの金融取引税導入が決まったことで、銀行業界が負担増に強く抵抗していることを受けたものだ。今後、詳細を検討するという。従来、銀行税は来年に税率を半減し、再来年に撤廃する予定だった。

\

オーストリアのライフアイゼンバンク・インターナショナルのステピッチ頭取は、ハンガリーにおける銀行への課税が「容認しがたい」水準に達しており、金融取引税は負担できないと発言した。これについてオルバン首相は、銀行税率が欧州の他国と比べても非常に高く、銀行の負担が重い事実を認めた。

\

また、金融取引税の導入で巨額の税収が見込まれるとし、税収は所得税・社会保険料の負担減の財源に充てることで、経済の競争力強化に努めると話した。さらに、金融取引税が危機対策ではなく、将来にわたって歳入を確保するための措置であることを確認した。政府は年間1,300億フォリントの税収を見込んでいる。

\

首相は、ハンガリー経済の競争力を確保するには政府債務を国内総生産(GDP)の50%未満に抑えることが重要との見方を示した。実現への課題として◇雇用創出で納税者を500万人増やす◇一律税率の維持◇法定退職年齢までの勤労継続◇人口減少問題の解決――を挙げた。

\

ハンガリー政府が先月、金融取引税導入を前提とした来年度予算を閣議決定したことで、同国の銀行業界にショックが走った。

\

ハンガリー銀行協会は、昨年12月の政府との取り決めに基づき、600億フォリント以上の税負担は受け入れないとの立場を明らかにしている。(1HUF=0.35JPY)

\
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |