中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2012/6/27

ロシア

GM、ロシア生産能力を3倍化

この記事の要約

米自動車最大手のゼネラルモーターズ(GM)がロシアでの生産能力を現在の3倍に強化する。昨年発表した総額10億米ドルの投資5カ年計画の一環で、サンクトペテルブルグの自社工場およびロシア同業のアフトワズと共同で操業するトリヤ […]

米自動車最大手のゼネラルモーターズ(GM)がロシアでの生産能力を現在の3倍に強化する。昨年発表した総額10億米ドルの投資5カ年計画の一環で、サンクトペテルブルグの自社工場およびロシア同業のアフトワズと共同で操業するトリヤッチ工場を拡張し、2015年までに現地生産能力を年35万台へ引き上げる。欧州最大市場への成長が見込まれるロシアで引き続き地盤を固めることに加え、低減輸入関税率の適用条件をクリアする

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サンクトペテルブルグ工場の生産能力は23万台に拡大する。15年の従業員数は現在の2,500人から4,000人に増加する見通しだ。シボレー「クルーズ」のハッチバックとオペル「アストラ」のハッチバックを生産している。拡張後は「アストラ」のセダンも加わる。

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GMは昨年、ロシアにおける「シボレー」、「オペル」、「キャデラック」の販売総数が53%増の24万4,000台に拡大し、9%の市場シェアを占めた。今年は30万台を達成し、10%のシェア獲得を目指す。

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「シボレー」は昨年、外国ブランド車としては最多の17万3,484台を売り上げた。しかし、今年1-5月期では「ルノー」が7万5,720台と「シボレー」に932台の差をつけトップを奪取した。

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GMの欧州事業では5年連続で赤字が続いている。ロシア生産の強化は不振脱却を狙ったものだ。先ごろ独子会社オペルのボーフム工場を16年に閉鎖することを発表したほか、オペルの主力車である「アストラ」セダンの生産をリュッセルスハイム本社工場からロシアへ移管する方針が明らかにされたこともあり、事業の軸足をロシアに移しつつある状況が浮かび上がる。

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ロシア政府は外国メーカーに対し、部品輸入に0~3%の低減関税率を適用する条件として、国内生産能力を30万台に引き上げることを求めた。これに応え、GMのほか、フォルクスワーゲンやフォードなどが大型投資計画を発表。ルノー日産連合も先月、アフトワズの過半数株取得を発表した。

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ロシア自動車市場は金融危機前の2008年に290万台を記録した後、09年には150万台に激減した。以後、着実に回復しており、昨年は前年比39%増の265万台に増加。GMでは今年、300万台を超えると予測している。(「目で見る東欧・CIS経済」を参照)

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