EU加盟を来年に控え国有造船所の再建と民営化を進めるクロアチア政府はこのほど、経営が悪化しているBrodotrogir造船所をエネルギー会社Kermas Energijaに売却すると発表した。Kermas EnergijaはBrodotrogir造船所の政府持ち分95.24%を1クナ(0.13ユーロ)で取得する。
\50億クナ(6億6,500万ユーロ)にのぼると推定されるBrodotrogir造船所の再建費用のうち、政府は30億クナを負担する意向。Kermas Energijaは造船事業を維持しつつ、同造船所の資産を活用してビジネスツーリズムやマリーナの運営に乗り出す方針を示している。
\造船はクロアチアの主力産業であり、90年代初めには日本、韓国に次ぐ世界3位の造船受注量を誇った。 しかし、91年から始まった内戦の影響で世界から取り残され、現在では12位に低迷。 過去20年間の累積損失は37億ユーロに達している。クロアチアは来年にEUに加盟するが、疲弊した造船所への政府援助を打ち切り、民営化と合理化を進めることが加盟条件のひとつとなっている。
\国内に5つある国有造船所のうちKraljevicaは今年初めに経営破たん。政府は最大手のBrodosplitを地元企業DIVに売却することを決定した。唯一黒字を計上しているUljanikについては、従業員に株式を取得させるスキームを立ち上げた。
\