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2012/10/24

ロシア

ロスネフチがTNK-BPを買収、上場石油会社として世界最大に

この記事の要約

ロシア石油最大手で国営のロスネフチが同業3位TNK-BPを完全買収する。22日までに、TNK-BPの株主である英BPおよびアルファ・アクセス・レノバ(AAR)と取引で合意した。買収手続きは来年上半期に完了する見通し。これ […]

ロシア石油最大手で国営のロスネフチが同業3位TNK-BPを完全買収する。22日までに、TNK-BPの株主である英BPおよびアルファ・アクセス・レノバ(AAR)と取引で合意した。買収手続きは来年上半期に完了する見通し。これにより、ロスネフチは生産能力が日量400万バレルを超え、上場している石油企業として世界最大になる。

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ロスネフチは22日、BPの保有するTNK-BP株50%を現金171億米ドルと自社株12.84%で買収すると発表した。同時に、BPに対し自社株5.66%を48億ドルで売却する。

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BPは過去の出資分と合わせ、ロスネフチへの出資比率を19.75%に引き上げ、取締役会(定員9人)に2人の代表を送る権利を得る。

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一方、TNK-BPに出資するロシア富豪4人の株式を管理するAARは、すでに先週の時点で、TNK-BP株50%を280億ドルでロスネフチに売却することに合意している。

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2003年のTNK-BP設立以来、BPとAARは経営方針をめぐって激しい対立を繰り返してきた。BPはTNK-BPが大きな利益を上げていることもあり、出資を継続してきたが、2011年にBPがロスネフチと合意した包括提携がAARの反対で失敗。これを機にAARとの関係は修復不能なまでに悪化した。このため、ついに今年6月、保有株を売却する方針を明らかにした。

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BPはロシア事業で合弁出資から少数出資へと一歩後退する。しかし、ロスネフチおよびプーチン大統領、セチン社長との関係を土台に、将来のプロジェクトへの参加に道が開ける可能性は高い。

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ロスネフチは北極海油田開発のノウハウ獲得を狙っている。頓挫したBPとの包括提携も、技術支援を目的としていた。

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プーチン大統領は1990年代に民営化された石油産業の「再国有化」を目指している。今回の取引はその方針に沿うもので、政府は産油量の40%を管理することになる。これは、ソ連時代の水準に匹敵する。

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