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2012/11/7

ポーランド

ポーランドの銀行、貸し付け条件を厳格化

この記事の要約

ポーランド中央銀行は5日、同国の商業銀行が年末に向けて貸し付け条件をさらに厳しくするとの見方を明らかにした。経済見通しと資産運用状況の悪化を理由に挙げている。これが経済減速に拍車をかける恐れもあり、市場では中銀が7日に利 […]

ポーランド中央銀行は5日、同国の商業銀行が年末に向けて貸し付け条件をさらに厳しくするとの見方を明らかにした。経済見通しと資産運用状況の悪化を理由に挙げている。これが経済減速に拍車をかける恐れもあり、市場では中銀が7日に利下げに踏み切るとの見方が有力だ。

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ポーランドの銀行は保守的で不良債権率が低く、不良資産も少ない。これが奏功して、欧州債務危機の影響が比較的小さくとどまっている。◇保守的な融資方針◇比較的高い金利◇欧州連合内では経済後進国――といった事情から、西欧諸国に比べると消費者債務が少ないのが特徴だ。

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しかし、融資引き締めが経済にブレーキをかける懸念は強い。ポーランド経済は、財政赤字削減に向けた政府支出抑制で、すでに数年前から成長が鈍りつつある。第2四半期の成長率は前期の3.6%から2.3%に落ち込んだ。

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銀行は貸し倒れ引当金の急増や融資需要の低下を受けて、第3四半期に利ザヤの拡大や融資枠の縮小などの措置をとっている。

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ただ、第4四半期には、季節的要因で住宅ローンと消費者金融の需要がやや拡大する見通しだ。法人では、大企業に限り長期融資の需要が増えるとみられる。

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中銀による今年5月の利上げと、労働市場の悪化も、消費者による新規借り入れにブレーキをかけている。このため、アナリストらは、金融緩和策の最初の措置として中銀が7日の金融政策委員会で政策金利を現行の4.75%から引き下げると予測している。

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