オーストリアの保険会社ウィーン保険グループ(VIG)が3日発表した2012年12月期決算は、最終利益が前期比9.7%増の4億4,620万ユーロに増加した。保険料収入は9%増の96億8,570万ユーロに拡大した。税引き前利益は5.1%増の5億8,740万ユーロと過去最高を記録した。
\中東欧事業はグループの税引き前利益の50.4%を稼ぎ出し、その比率を前期の47.9%から2.5ポイント拡大した。今後の事業拡大計画では自力成長を基本としているが、好機があれば買収もありうるとしている。特にブルガリア、ポーランド、ルーマニア、ウクライナ、バルト諸国など成長市場を視野に入れる。
\中東欧事業の中核をなすチェコでは、保険料収入が1.6%減の17億9,600万ユーロに減少したものの、税引き前利益は1億9,500万ユーロと4.2%の増益を達成した。
\スロバキア事業の保険料収入は2.9%増の7億4,100万ユーロ、税引き前利益は5.1%増の5,690万ユーロにそれぞれ拡大した。ポーランド事業は保険料収入が16億1,200万ユーロと68.9%の大幅増を記録。税引き前利益も14.2%増の4,160万ユーロに急増した。
\一方、自動車保険の価格競争が続くルーマニアでは保険料収入が10.9%減の4億4,830万ユーロに落ち込んだ。生命保険が13%増加したのに対し、損害保険が17%縮小して足を引っ張った。税引き前赤字も前期の1,300万ユーロから2,040万ユーロに膨らんだ。
\VIGはルーマニアで従業員を15%(450人)削減するなどの再編措置を計画している。これにより、今年は同国事業を収支トントンに持って行きたい考えだ。
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