ロシア国営ガス企業ガスプロムと蘭ガス企業ガスユニーは8日、ロシア産天然ガスをバルト海経由でドイツに供給するパイプライン「ノルド・ストリーム」を英国まで延伸する可能性について検討することで基本合意したと発表した。欧州の主要市場である英国のガス市場でシェア拡大を狙うガスプロムと、ガスプロムとの協力関係を強化することによって天然ガスの安定供給を確保したいガスユニーの思惑が一致した格好だ。
\ガスプロムのミレル最高経営責任者(CEO)は記者会見で、英国に天然ガスを運ぶ新パイプライン敷設の可能性についてガスユニーと協議していることを明らかにし、新パイプラインの輸送能力は、ノルド・ストリームの2本の既存パイプラインと同様に275億立方メートルになると述べた。そして、英国へのパイプライン延伸は、同国のパートナーとガス供給に関する長期契約を締結することが前提になるとの認識を示した。
\ノルド・ストリームは、ロシア北西部のブイボルグとドイツ北東部のグライフスバルトを結ぶ全長およそ1,200キロメートルの海底パイプライン。事業母体であるノルド・ストリームAGにはガスプロムが51%、独ヴィンタースハルとエーオン・ルールガスが各15.5%、ガスユニーと仏GDFスエズが各9%を出資する。
\