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2013/7/10

総合・マクロ

ロスアトム、フィンランドの原発建設プロジェクトパートナーに

この記事の要約

ロシア原子力公社ロスアトムは3日、フィンランドのハンヒキビに原子力発電所を建設する計画を進める企業連合(コンソーシアム)のフェンノボイマとプロジェクト開発協定(PDA)を結んだと発表した。ロシア型加圧水圧原子炉(VVER […]

ロシア原子力公社ロスアトムは3日、フィンランドのハンヒキビに原子力発電所を建設する計画を進める企業連合(コンソーシアム)のフェンノボイマとプロジェクト開発協定(PDA)を結んだと発表した。ロシア型加圧水圧原子炉(VVER)の最新型VVER-1200/AES-2006(出力1,200メガワット)を供給・建設するとともに、フェンノボイマに34%出資する。東芝も同プロジェクトの契約獲得に向けて交渉を行ったが、受注はならなかった。

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フェンノボイマのユハ・ヌルミ最高経営責任者(CEO)がロイター通信に明らかにしたところによると、ロスアトムとの提携を決めたのは、同社の提案した中型原子炉のほうが東芝の提案した大型原子炉よりもニーズに見合っていたため。ロスアトムが同コンソーシアムに34%の出資をオファーしたことも決め手の一つになった。フェンノボイマには独エーオンが34%を出資していたが、同社は本国ドイツの脱原発政策を受けて昨年、原発事業からの全面撤退を表明。フェンノボイマからも資本を引き上げていた。ロスアトムはこの分を引き受ける格好だ。

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VVER-1200/AES-2006はVVERの第4世代で、国際原子力機関(IAEA)と欧州電力事業者要求仕様(EUR)に準拠しているほか、フィンランドの国内安全基準も満たしている。

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ロスアトムとフェンノボイマとの正式契約は同コンソーシアムに出資する各社の承認を経て年内に調印される見通し。

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