チェコに進出しているドイツ企業の間で、研究開発(R&D)を重視する傾向が強まっていることが、ドイツ・チェコ商工会議所がこのほど行ったアンケート調査で明らかになった。
\調査に参加した企業50社のうち、チェコにR&Dセンターを設けているのは約半数にのぼり、約8割の企業が研究開発を通して生産工程の最適化を実現したいと考えており、コスト削減、エネルギー効率の向上などの効果を期待している。また、3分の2の企業が製品開発を重要視していると回答。革新的な製品開発を支える要素として従業員の専門知識、投資、チェコの研究機関との協力などを挙げた。
\総合電機大手シーメンスはプラハ、ブルノ、オストラバなど9カ所にR&D拠点を持ち、540人の従業員が電気モーターや鉄道車両、蒸気タービン、発電機などの研究開発を行っている。また、30の主要な大学・研究機関と共同研究を進めている。自動車部品大手ボッシュは今年、燃料噴射システムの開発を強化するため、100人を新たに採用する計画だ。ドイツ企業以外でもスイスのセンサーメーカー、バウマーが年初にブルノでR&Dセンターを開設。重電大手ABBは14年に同じくブルノにサーキットブレーカーのR&D拠点を開設すると発表している。
\チェコの研究開発投資は年々増加しており、2011年は29億ユーロと、国内総生産(GDP)の1.85%を占めた。これは他の中東欧諸国と比べ高い水準だが、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の2.4%は下回っている。
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