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2014/4/9

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

クロアチア政府、アドリア海での資源開発入札開始

この記事の要約

クロアチア経済省は2日、アドリア海での石油天然ガス探鉱開発ラインセンスの入札を開始したと発表した。 入札にかけられるのは29鉱区で、鉱区面積は1,000~1,600キロ平方メートル。11月3日に応札を締め切り、来年の3月 […]

クロアチア経済省は2日、アドリア海での石油天然ガス探鉱開発ラインセンスの入札を開始したと発表した。

入札にかけられるのは29鉱区で、鉱区面積は1,000~1,600キロ平方メートル。11月3日に応札を締め切り、来年の3月には落札者と契約を結ぶ予定だ。入札説明会にはロシアのガスプロム、米エクソンモービルを含む40社が参加した。

探鉱期間は5年間だが、正当な理由があると認められた場合には6カ月間の延長が二回まで可能。探鉱開発ライセンスの付与により政府が得る収入は25億ドルと見込まれており、長引く景気後退に苦しむクロアチアにとって貴重な収入源として期待されている。

ブルドリャク経済相は、「入札の成功によってクロアチアは欧州の重要な石油・ガスの供給国となり、我々のガスは地域で最も安価なものになるだろう」と述べたうえで、アドリアパイプライン公社(JANAF)が運営するパイプラインシステムや精製所への良好なアクセス、沿岸にある港と造船所など充実したインフラは、投資家にとって大きなメリットになるとの見方を示した。

経済省は、掘削にあたっては企業に厳格な環境基準の遵守を求めるとしているが、環境団体からは海洋での掘削作業によってクロアチアの美しい海岸線が損なわれ、観光業が打撃を受ける恐れがあると懸念する声があがっている。