中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2014/7/9

ロシア

EUの対ロ経済制裁、EIBなどの融資凍結も

この記事の要約

混迷が続くウクライナ情勢を背景に、EU(欧州連合)がロシアに対する追加制裁の一環として、欧州投資銀行(EIB)や欧州復興開発銀行(EBRD)による同国への融資を制限する方向で検討しているもようだ。欧米メディアがEU関係者 […]

混迷が続くウクライナ情勢を背景に、EU(欧州連合)がロシアに対する追加制裁の一環として、欧州投資銀行(EIB)や欧州復興開発銀行(EBRD)による同国への融資を制限する方向で検討しているもようだ。欧米メディアがEU関係者などの話として報じた。ウクライナ東部では停戦期限が切れた今月1日以降、政府軍と親ロ派の間で戦闘が激化している。事態収拾に向けて具体的な動きがみられない場合、EUはロシアに対する制裁を強化する構えをみせており、今月16日の首脳会議で具体策を協議する可能性がある。

ロシアは昨年、パイプラインの整備や企業買収などのプロジェクトのためにEBRDから18億ユーロの融資を受けた。一方、EIBは14億ユーロのロシア向け融資を承認している。

ロイター通信によると、欧州委員会は4月にまとめた対ロ経済制裁の影響分析に関する報告書で、EIBによる融資の凍結を「緩やかな制裁」の選択肢の1つとして検討していた。EIBの広報担当は「EIBはEUの政策金融機関であり、完全にEUの方針に沿って行動している」と述べるにとどめ、事実関係についてのコメントは控えた。