中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2014/9/3

チェコ・スロバキア

チェコ企業、EUとロシアの制裁応酬で損失拡大に懸念

この記事の要約

ウクライナ情勢をめぐる欧州連合(EU)とロシアの経済制裁合戦のあおりで、チェコの輸出産業が大きな打撃を受けることが懸念されている。チェコ工業連盟が先ごろ加盟企業を対象に実施したアンケート調査の結果によると、損失額は数百億 […]

ウクライナ情勢をめぐる欧州連合(EU)とロシアの経済制裁合戦のあおりで、チェコの輸出産業が大きな打撃を受けることが懸念されている。チェコ工業連盟が先ごろ加盟企業を対象に実施したアンケート調査の結果によると、損失額は数百億コルナに達する可能性があるという。

チェコ工業連盟がアンケートに参加した約100社の回答をもとに試算したところ、経済制裁による直接的な損失は100億コルナに達する見通し。さらに、今後ロシアでのプロジェクト中止や市場からの撤退に追い込まれる企業が出れば、損失額はさらに大きくなる恐れがある。間接的な損失の有無については、7割の企業が「分からない」あるいは「ない」と回答。「ある」と答えた残り30%の企業の損失の総額は55億コルナに達する可能性があるとしている。

最も打撃を受ける可能性が高い業種としては、エンジニアリング、エネルギー、化学、石油化学などが挙がっている。今回のアンケートで、EUの対ロシア制裁に賛成した企業は全体の3分の1にとどまり、3分の2は反対だと回答した。(1CZK=4.93JPY)