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2014/9/3

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ルーマニアの電力会社、原発拡張計画で提携先を募集

この記事の要約

ルーマニアの国営発電会社ニュークリア・エレクトリツァ(NE)は27日、チェルナヴォーダ原子力発電所の拡張計画で、提携先の選考手続きを開始した。当初参加を予定していた欧州のエネルギー企業6社が撤退したためで、提携先と合弁会 […]

ルーマニアの国営発電会社ニュークリア・エレクトリツァ(NE)は27日、チェルナヴォーダ原子力発電所の拡張計画で、提携先の選考手続きを開始した。当初参加を予定していた欧州のエネルギー企業6社が撤退したためで、提携先と合弁会社を設立する形でプロジェクトを進める。

対象となるのは南西部コンスタンツァ県にあるチェルナヴォーダ原発の第3、4号機の建設工事だ。出力はそれぞれ720メガワット以上とする。完成すれば、発電容量は現在のほぼ2倍に増加する。

提携先の選考手続きでは、まず、参加希望企業の資格審査を実施し、合格企業に計画の詳細を通知する。その上で企業に関心表明書(LOI)の提出を求め、審査の土台とする。

チェルナヴォーダ原発は2基の原子炉(出力:各706メガワット)を操業し、国内電力需要の約20%をまかなっている。新炉2基の建設費用は60億ユーロを超えるとみられているが、NEは自らの負担を最大20億ユーロに抑えたい意向だ。

このため、プロジェクトではNEと提携企業が合弁会社を設立する。NEの出資比率は最大で49%となる。

新炉建設工事の発注先候補には、中国核工程(CNPEC)とカナダのキャンドゥー・エナジー(CANDU)から成る企業連合が挙がっている。