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2015/4/1

総合・マクロ

ウクライナ、153億米ドルの債権放棄を要求

この記事の要約

ウクライナのヤレシコ財務相は3月24日、財政再建に向けた債務再編について、債権者に4年間かけて総額153億米ドルの債権放棄を求める考えを明らかにした。深刻な経済危機に陥っている同国にとり、債務再編は国際通貨基金(IMF) […]

ウクライナのヤレシコ財務相は3月24日、財政再建に向けた債務再編について、債権者に4年間かけて総額153億米ドルの債権放棄を求める考えを明らかにした。深刻な経済危機に陥っている同国にとり、債務再編は国際通貨基金(IMF)の追加支援と並んで財政再建の重要なカギとなる。

ドイツ銀行の推定によると、2015~18年に償還期限を迎えるウクライナ国債および政府保証債の元本は合計148億米ドルで、支払い利子は42億米ドルに上る。ヤレシコ財務相は、償還期間の延長や支払い利子の減額、元本の償却により、債務の棒引きを求める考えだ。

主要債権者であるフランクリン・テンプルトンなどの大手投資ファンドは、償還期間の延長だけで十分との見方で、債権放棄には応じない構えだ。ウクライナ政府としてはIMF支援の第1回審査を予定する6月までに債権者との合意を取り付けたい考えだが、交渉の難航が予想される。

IMFは3月11日、ウクライナへの175億米ドルの追加融資を承認した。IMFの金融支援には通常、償還期限の10年以上の延長や国債・政府保証債の35~40%の償却が補強措置として要求される。米ゴールドマン・サックスは、ウクライナの場合、約45%の元本償却が必要と見ている。