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2015/4/15

ロシア

世銀、ロシア経済見通しを下方修正

この記事の要約

世界銀行は1日、ロシアの今年の予想成長率をマイナス3.8%とし、従来のマイナス0.7%から大幅に下方修正した。来年についてもプラス0.3%からマイナス0.3%へと引き下げ、長期にわたる景気後退の危険を指摘している。 世銀 […]

世界銀行は1日、ロシアの今年の予想成長率をマイナス3.8%とし、従来のマイナス0.7%から大幅に下方修正した。来年についてもプラス0.3%からマイナス0.3%へと引き下げ、長期にわたる景気後退の危険を指摘している。

世銀によれば、欧米諸国による制裁措置と原油価格の下落による打撃が大きい。加えて、投資不足が継続することで中期的見通しも影が濃くなっている。

最新予測は、今年の原油平均価格をバレル当たり53米ドル、来年57ドルと仮定して算出した。これが今年65.5ドル、来年68.7ドルで推移すれば、今年はマイナス2.9%、来年はプラス0.1%となる見通しだ。

また、欧米による制裁が2016年末まで継続するという見方に立っているが、南アフリカの例を挙げ、制裁が解除されたとしても、その影響は長期にわたると予測する。ロシアでは投資不足が悪化する可能性が高い。

なお、資本流出の勢いが衰えていないことから、今年の資本収支は1,220億ドルの赤字となる見通しだ。

一方、ロシア連邦統計局(ロススタット)は1日、2014年の経済成長率の確定値を発表。速報値と同じ0.6%とした。ロシア政府の経済見通しは世銀よりも楽観的で、今年マイナス3%、来年プラス2%強を予測している。