トルコのエルドアン大統領は15日、カザフスタンの首都アスタナで同国のナザルバエフ大統領と会談し、両国の関係緊密化で合意した。アジア市場に目を向けるトルコと、中東・欧州との取引拡大を狙うカザフスタンの利害関係が一致した格好だ。
両大統領は共同声明で、両国間の年間取引規模を現在の34億米ドルから100億ドルに拡大するとともに、両国間の投資額を5億ドルに引き上げる目標を発表した。
ナザルバエフ大統領は、「昨年11月にスタートした景気振興策『ヌルリ・ジョーリ(明るい道)』の一環として、トルコとの協力を通じた経済発展を図っていきたい」と発言。カザフスタン内にトルコと共同で経済特区を設立・運営する意欲を示した。「ヌルリ・ジョーリ」では2017年のアスタナ万博開催に向けた投資を含め、交通・物流、産業、エネルギーなどの分野でインフラの整備を進める。
声明ではまた、中国がカザフスタンなどと協力して推進する「シルクロード経済圏」構想にも言及。欧州とアジアを結ぶ新たな貿易・輸送路を確立する同構想に向け、トルコとカザフスタンが共同で投資基金を設置することを明らかにした。
トルコはカザフスタンの独立を最初に承認した国で、1992年3月に外交関係を樹立した。以来、カザフスタンに約1,600社のトルコ企業が進出し、総額200億ドルに相当するプロジェクトを遂行した。