ロシア国営ガス会社ガスプロムのミレル社長は14日、国営テレビ放送に出演し、15年中に40億ドル規模の追加投資を計画していることを明らかにした。主にシベリアから中国に向けて供給される天然ガス関連プロジェクトに投じる予定という。ウクライナ危機に関連した欧米の制裁措置を受け、ロシアは軸足をアジアに移すことで欧州をけん制する構えを見せている。
ガスプロムは昨年5月、中国石油天然気集団公司(CNPC)と総額4,000億ドルに上る東シベリアからのガス供給契約を結んだ。最終的な年間供給量が380億立方メートルに達するこのプロジェクトに関しては、昨年9月に2つのガス田から中国まで総延長4,000kmに及ぶパイプラインの建設が始まっている。また、11月に両社は西シベリアから年間300億立方メートルを輸出する計画に関し大枠で合意した。双方のプロジェクトが実現すれば天然ガスの輸出先としてこれまで最大だったドイツを中国が上回ることになる見通しだ。
ミレル社長は先ごろベルリンで開催された会合で、西シベリアから中国へのルートが完成すれば「ユーラシアガス市場」が成立し、欧州連合(EU)市場と価格に影響を及ぼすようになるとの見通しを示した。