中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2015/9/2

チェコ・スロバキア

ベトナム繊維産業がチェコに注目、中東欧市場への門戸として

この記事の要約

ベトナム企業が中東欧市場へ再参入する門戸としてチェコに注目している。首都ハノイの繊維・衣料業界の複数の企業が、先月下旬にチェコで開かれたブルノ国際ファッション見本市に出展。取引先の開拓に向けてチェコ企業と交流した。業界紙 […]

ベトナム企業が中東欧市場へ再参入する門戸としてチェコに注目している。首都ハノイの繊維・衣料業界の複数の企業が、先月下旬にチェコで開かれたブルノ国際ファッション見本市に出展。取引先の開拓に向けてチェコ企業と交流した。業界紙『fibre2fashion.com』が先ごろ報じた。

ハノイ市産業局のレ・ホン・タン局長によると、ベトナムの繊維・衣料産業は昨年通期に207億米ドル、今年1-6月期に102億ドルを輸出し、業界別輸出高で2位につけている。また、在ハノイ企業の2014年輸出高110億ドルのうち、繊維・衣料産業は16億ドルを占める。

ただ、2014年の欧州連合(EU)向けの繊維・衣料出荷高は4億3,600万ドルにとどまる。ベトナムとしては今後、EU向けの同出荷高をさらに伸ばしたいところだ。そこで、社会主義体制の転換前に取引があった中東欧地域に注目。チェコとの提携を深めることを通じて中東欧圏の他国との貿易を振興させる案が浮上した。

その一歩として、主要産業である繊維・衣料業界はチェコからの材料調達を実現するため、見本市への出展で現地企業と交流する機会を設けた。在ハノイ企業の生地輸入高は昨年、6億6,250万ドル、繊維は1億2,560万ドル、その他の材料は1億9,600万ドルに上っている。

チェコ・ベトナム友好協会のマルセル・ヴィンテル会長は、ベトナム企業の製品にはチェコ人の嗜好に合うものが多いとコメント。また、チェコ製の機械・設備はベトナム企業の需要に応えられるとし、提携の可能性が十分にあるとの見方を示している。