仏製薬大手セルヴィエ(Servier)は4月1日、生産の一部をフランスとアイルランドからトルコへ移管すると発表した。トルコ向け医薬品の現地生産化が目的となる。
トルコ最大手のアブディ・イブラヒム(Abdi İbrahim)及び後発医薬品メーカーのイルコ(İlko)にライセンスを供与し、年内に同国で年2,100万パックを生産できる態勢を整える。これはセルヴィエの同国売上高の97%強に相当する。
また、2018年末までにライセンス生産を通じて年産規模を年3,200万パックに拡大する。近隣諸国への輸出が可能であれば、さらなる増産も視野に入れる。
現地生産化に伴い、提携先のイルコでは1,100万リラ(約340万ユーロ)の投資を計画している。
セルヴィエはトルコで循環器・精神疾患、糖尿病向け医薬品、抗がん剤を販売しており、今年は2億リラの売上達成を見込む。現地メーカーとの提携による生産量はこれまで年623万パックだった。
なお、アブディ・イブラヒムは大塚製薬と合弁で折半出資の販売会社を運営している。
■国産化支援に25億リラ
トルコ政府は貿易赤字の削減と製薬業界の基盤強化に向け、バイオ医薬品を中心に国産化を支援する意向だ。予算枠は25億リラ(約7億8,000万ユーロ)に上る。
外国メーカーにはトルコ進出あるいはトルコ企業への製造委託を求め、その代わりに長期調達を保証することも検討している。
トルコ製薬業雇用者同盟(IEIS)によると、昨年のトルコ医薬品輸入高は98億2,000万リラで前年から15.8%増加した。同国医薬品市場規模は170億リラと推定されている。(1TRY=39.54JPY)